N-SSI工法
概要
N-SSI(Normalized Suppressing Salt Injury)工法は、ポリマーセメントモルタルに塩分吸着剤を配合した数種の補修材料で構成された画期的な高防錆型断面修復工法です。本工法は、劣化状況や補修部位に応じて材料の組み合わせを選択できることを可能にした工法です。
特徴
- 塩化物・イオン量に応じた材料構成パターンの選択を可能にした合理的かつ経済的な塩害対策工法です。
- 鉄筋の錆は、ケレンによって完全に除去することは不可能です。鉄筋残存錆層に存在する塩分を吸着し、錆の進行を抑止します。
- 鉄筋コンクリート中の鉄筋周辺の塩分を低減し、コンクリートの品質を改善します。
- 従来の工法と決定的に異なるのは、鉄筋およびその周辺の塩分を低減し、鉄筋の腐食を長期的に抑止することです。
- コンクリート躯体と同質で完全一材型の高耐久性無機系材料で構成しています。
原理
塩分吸着剤の構造・反応模式図 塩分吸着剤は、右図に示すような層状の構造を有するカルシウム・アルミニウム複合水酸化物で、層間に鉄筋腐食抑制効果のある亜硝酸イオン(NO2-)をもっています。海水や融雪剤、海砂などから供給される塩化物イオン(Cl-)を吸着して、鉄筋・鋼材が腐食しにくい環境に改質します。 これは、鉄筋・鋼材を腐食させる塩化物イオンを吸着して無害化し、防錆効果の高い亜硝酸イオンを放出するため、極めて効率的に防錆環境を提供します。また、塩分吸着剤には、塩化物イオンだけではなく、硫酸イオン(SO42-)や炭酸イオン(CO32-)などの各種マイナスイオンと亜硝酸イオンとをイオン交換する作用もあり、様々な分野での活用が可能です。
施工状況
■鉄筋防錆処理(RJ1)
■防錆モルタル(RJ2,RJ3) | ■防錆モルタル(RJ2,RJ3) |